エグゼクティブ教育

コンセプト

1.プログラムの基本コンセプト


(1) 目的
一橋シニアエグゼクティブプログラム(HSEP)の基本的な目的は、次の2点です。

  1. 企業経営をするために必要な経営の諸要素(戦略、カネ、人、組織・システム)を見る目、そして諸要素の間のバランスを総合判断する目を醸成すること
  2. そのために、経営者として必要な哲学を涵養するとともに、経営の総合判断の基盤となる自分なりの枠組みについて深く考えること

(2) 対象者

大手企業を中心とする、執行役員クラスまたは同レベルの方
なお、受講にあたっては、企業としてコンソーシアムに参加していただきます。

(3) 2つの基本的プロセス

  1. 5回の合宿(合計13日間)でのセッションにおいて、事前に課題が与えられるとともに、セッション当日の講義・講演やディスカッションを通じて進められます。各セッションでは、知的刺激と自省の場となるような工夫を盛り込んでいます。
  2. 「私の経営者研究」個人プロジェクト
    5ヶ月間を通した個人プロジェクトとして、自分が研究したい経営者を各受講者が決めて、その経営者の行ったマネジメントにおける重大な意思決定と、彼(彼女)の人生・器量を5ヶ月に渡ってじっくりと考えていきます。最終回となる第5セッションでは、その人物についてのレポートを各人がまとめ、それを材料として全体での議論を行います。

2.プログラムの強調点と特徴


(1) 内容面での強調点

経営全体を見る「思考の枠組み」の強調
下記のような各セッションのテーマは、本プログラムが強調している経営全体を見る「思考の枠組み」の全体像を想定して構成されています。また、カリキュラムの具体的内容や方法の選択も、この「枠組み」の観点から編成されています。

(2) 各セッションでのテーマと概要

第1セッション『企業を見る目』
企業活動を大きな視点からどのように見るか。例えば、コーポレートガバナンスはどう考えるべきか。

第2セッション『戦略を見る目』
戦略的思考とは、何か。それを体感するとともに、チームビルディングに向けて、外交ゲームも実施。

第3セッション 『戦略と組織を見る目』
組織はいかに硬直化し、重大な問題が生じうるのか。参加各社の失敗事例をもとに、徹底的に討論。その上で、企業を取り巻く戦略やマーケティングの問題を考察。

第4セッション 『カネとヒトを見る目』
カネの動きはどのように測定しコントロールするか。人材を育てるための経営的視点とは何か。

第5セッション 『経営の総合判断』
トップに立つこととは、すべての総合判断をすること。そのための、「マクロの枠組み」とは。 この最終セッションでは、「私の経営者研究」個人レポートをもとにした、「経営の総合判断」と「経営者の器量」について踏み込んで討議。

(3) カリキュラムの具体的構成と方法的特徴

  1. 理論的思考と現場からの発想の適切なミックスを保つ
  2. 深みのある論理的議論を重視し、単なるノウハウ伝達はしない
  3. 現実のケースからの議論を中心とし、講義部分は2ー3割程度とする
  4. 講師陣は一橋大学大学院商学研究科が主体となり、さらに多様な講師陣を学外からも招聘する
    ・学外講師による講演
    ・現役経営者による講演

3.本プログラム設計の背後にある「経営者の育つプロセス」についての基本的考え方


(1) 経営者の三つの条件

  1. 大きな視野
  2. 深い思考
  3. 筋の通った決断

(2) これらの条件を備えた経営者が「育つ」3つの要因

  1. 高い志
  2. 仕事の場の大きさ
  3. 思索と知的刺激の場の大きさ

(3) 経営者は育つものであって、育成するものではない。

育つプロセスの中心は、あくまで仕事の場での修練である。しかし、育つプロセスを刺激したり、サポートしたりすることはできる。

(4) 大学として経営者が育つプロセスにもっとも貢献できるのは、「知的刺激の場の提供」である。

知的刺激は、大学の教員からもあるだろうが、しかし研究蓄積から生まれた材料・知見の刺激も大きい。そして、最大の刺激は参加者相互の刺激である。
そのような知的刺激が有効に起こるための「場の設定」と「場のかじ取り」が、本プログラムの目指すものである。