公認会計士 淺井千栄子さん

私の大学選びは正解でした

2012/06/30

連載シリーズ「活躍する卒業生」では、一橋大学の主に商学部を卒業した先輩に、大学時代の思い出や現在のお仕事、現役大学生へのメッセージなどを伺います。先輩の経験談に自分を重ねてみたり、新たな目標を見つけたり。最初のご登場いただくのは、現在公認会計士として活躍する淺井千栄子さんです。

* * *

asai_11.jpg父が公認会計士でしたから、中学校時代から公認会計士になりたいと考えていました。といっても当時は、抽象的なのが経済学で、企業や個人にスポットライトを当てるのが経営学や商学だといった程度の認識でしたが......。いざ受験となったときに、「どうせなら商学の最高峰を目指そう」と思って、一橋大学を受験しました。父も「一橋大学がいい」とアドバイスしてくれました。この言葉で、自分のイメージだけでなく、「社会人の視点からもいい大学なのだ」と確信が持てたのです。

ゼミは会計関係ではなくマーケティングの松井ゼミです。大学生活ができるのは一生に一度のことです。一橋大学の特長はゼミにありますから、資格受験を優先するより、関心のあるゼミや授業でがんばりたいと思ったのです。ですから、興味のある授業は目一杯受講しました。

ゼミでは、会計の視点でマーケティングを考えたり、逆にマーケティングの観点から会計を捉えてみたり......と、相互作用を引き出せたと思います。公認会計士受験という短期的視点で考えれば、会計のゼミのほうがよかったかもしれません。しかし、会計と消費者行動は、必ずどこかで繋がっています。例えば、企業が消費者ニーズに応えた結果、製品が売れ、売上増加に結び付くのです。会計を数字だけ見て判断するのではなく、なぜこの数字が導き出されたかを知るには、ゼミで学んだようなやり方で分析しなければならないのです。

一方では、サークル活動にも力を入れました。管弦楽団では3年で引退するまでオーボエを担当していました。当時はサークルとゼミを優先しながら、合間に会計士の勉強をする生活でした。3年の12月から優先順位が会計士の勉強にシフトしていきました。趣味・サークルもゼミも授業もすべて思うようにやれましたので、大学時代にやり残したことはありません。

ゼミでもサークルでも、まず好きなことを集中してやることをお勧めします。好きなことなら熱中できますから、自然に集中力がつくようになります。そして、「今はコレをやるべきだ!」と思ったら、それに集中するのです。私は、3年生の終りごろから公認会計士試験を目指して、楽器も触らず、友人にもほとんど会わずに資格の受験勉強に集中しました。

今でも、やりたいことや興味を持ったことには、萎縮することなく挑戦する精神を持っているつもりです。仕事も選り好みせずに、「私がやります!」と手を挙げるように心がけています。

一橋大学は大好きな大学です。ゼミの授業は面白いですし、最先端の研究を行っています。少人数の大学ですから、人の繋がりが強いのも特徴。就職してから、それをより強く感じます。私の大学選びは正解でしたね。

淺井千栄子さん
新日本有限責任監査法人国際部勤務(日本公認会計士協会)
2009年卒(松井剛ゼミ所属)、同年4月新日本有限責任監査法人に入社。
2008年大学在学中に会計士試験合格。
在学中は、一橋大学管弦楽団に所属、オーボエを担当していた。

※公認会計士如水会は、 一橋大学を卒業した公認会計士・会計士補を会員とする組織です。毎年2月に総会と公認会計士試験合格者の祝賀会を開催しており、OBの皆さんの親睦ならびに情報交換を行っています。一橋大学は日本の会計制度の創設ならびに発展に大きな貢献をしており、卒業後の進路として公認会計士を選択する学生も多くいます。2007年度は94名、2008年度は93名の公認会計士試験の合格者を輩出しています。

(記事投稿2012年6月30日)