経営学とは、企業を直接的な対象として、その活動を考察する領域です。そこでは、「望ましい成果を生み出す企業経営とは、どのようなものなのか」、「社会において企業はどのような存在であり、経営者や企業はどのように行動すべきか」といったことが、基本的な問いとなります。学部専門科目としては、企業経営を全体的な視点から考察する「経営戦略論」「経営組織論」「企業社会論」や、各企業における特定の機能について考察する「財務管理論」「生産システム論」「労務管理論」「イノベーション・マネジメント」、企業を歴史的な観点から考察する「経営史」、専門的な研究・調査方法を学ぶ「ビジネス・リサーチ」などが開講されています。
会計は、企業の活動を「資本」の側面から捕捉し、財務諸表をはじめとする情報に集約し、企業内外の情報利用者に対して伝達するという一連のプロセスで構成されており、いわばビジネスの共通言語としての機能を果たしています。
会計学では、「利用者のニーズに適合した情報とはどのようなものか、またそれをどのように作成するのか」、「金額的に表現された会計数値を通して、その背後にある企業活動をどのように読み取るのか」、「会計情報は、どのような経済的帰結をもたらしうるのか」といった課題を扱います。学部専門科目として、会計情報の作成やそのためのルールを学ぶ「簿記システム論」「財務会計論」「原価計算」、会計情報の利用や経済的帰結、それらを支える補完的な仕組みなどを学ぶ「財務諸表分析」「監査」「管理会計論」などが開講されています。
マーケティングは、企業の活動を、「顧客」の側面から捉えます。企業の生み出す製品やサービスが顧客にとって価値のあるものとなるよう、顧客ニーズを知るための情報を集め、分析し、ニーズにあった製品やサービスを作り、その魅力を知らせ、顧客のもとに届ける一連のプロセスに関する学問です。「顧客のニーズを知るための情報をいかに収集して分析したらよいのか。」「多様なニーズを持つ異なった顧客のうち、どのようにしてターゲットを定めたらよいのか。」「競合する他社に対して自社の製品・サービスの魅力を訴求するにはどうしたらいいのか。」「様々な市場の違いをどのように分析したらよいのか。」といった問題を取り扱います。
金融は、個人・企業・政府・金融機関等、あらゆる経済主体の活動を、「おかね」の視点から考察する領域です。そこでは、「個人にとって、貯蓄をどのように運用したらよいか」「企業にとって、投資に必要なおかねを、銀行からのローンで調達した方がよいか、それとも株式や債券を発行して市場から直接調達した方がよいか」「銀行にとって、おかねを余っているところから不足しているところへいかに効率的に回していくか」「保険会社にとって、個人や企業から引き受けたリスクをいかに管理していくか」「政府や中央銀行にとって、おかねが回っていくシステムを安定させてビジネスや経済活動を円滑にするために、どのような制度を設計し政策を遂行すべきか」「世界的なおかねの流れが、為替相場を通じて個人・企業・政府・金融機関の行動にどのような影響を与えるか」といったことが、基本的な問いとなります。学部専門科目としては、金融に関する諸問題を包括的かつ多面的に考察する「マクロ金融論」「コーポレート・ファイナンス」「資産価格論」、高度な分析手法を用いながら専門領域を考察する「金融システム論」「金融数理論」「国際金融論」「リスクマネジメント」などが開講されています。