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2013/08/23
連載シリーズ「活躍する卒業生」では、一橋大学商学部を卒業した先輩に、大学時代の思い出や現在のお仕事、在学生へのメッセージなどを伺います。
今回ご登場頂くのは、オンライン英会話で最大級の「レアジョブ」を立ち上げた加藤智久さん(2004年卒)です。
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加藤さんの大学生活を教えてもらえますか
入学直後は柔道部に所属していました。その後、休学してベンチャー企業で働きましたが、そこでの経験が、その後の人生を大きく変えました。
大学時代は通学に往復2時間半もかかったので、電車の中ではとにかく本を読みました。ビジネスをいつか自分でやりたかったので、ビジネスや経営者についての本が中心でした。日本語の本だけではなく、英語の本も原書で読んでいました。
3年生になって伊藤邦雄ゼミナールに入り、優秀な仲間と切磋琢磨したことは今でも鮮明に覚えています。ゼミに入って、「勉強って楽しいな」と強く思いました。就職活動が終わってからは海外旅行、というよりも、放浪に明け暮れました。
オンライン英会話のビジネスを立ち上げた経緯を教えていただけますか
休学してベンチャー企業で働いたときに、その可能性を肌で感じました。特に、通話料無料のサービスを提供しているSkypeに将来性を感じ、いつかSkypeを使ったビジネスを立ち上げたいと思うようになりました。
大学卒業後、2年半ほどコンサルティング会社で働きましたが、その間にもSkypeを使った語学ビジネスの案を常に考えていました。そのうちに、このビジネスに夢中になっている自分を感じ、起業することに決めてレアジョブを立ち上げました。
オンライン英会話ビジネスを手がける先発企業はすでにあったのですが、創業時にうまく資金調達もできメディアにも取り上げてもらえたことで、ビジネスは順調に成長しました。今では累積会員数、講師数、提供レッスン数で業界最大級になっています。
若手経営者として大変なことはありましたか
大変なことはたくさんあります。ですが、そもそもそのような大変なことをしたくて起業しました。ですので、大変なことをひとつひとつ乗り越えるステップを楽しもうと考えています。
ビジネスの現状と今後の展開を教えて下さい
わが社の強みは低価格と高品質です。価格でいうと、1レッスン(25分)を最低129円で受講できます。講師はフィリピン人です。最初はフィリピン大学の学生だけをレアジョブの講師にしていましたが、その中には卒業後もレアジョブの講師として働いている方も少なくありません。いま、フィリピンには約3,200人の講師がいます。
フィリピン大学の学生は本当に優秀ですし、背負っているものが日本の大学生とは違います。フィリピン人は、ホスピタリティにもあふれています。英会話は、なにより楽しくないと絶対に長続きしません。このような点から、フィリピン大学の学生や卒業生は、英会話の講師として適した方々だと思っています。これからもフィリピンに軸足を置いて、事業を展開していきたいと思っています。
いまの僕には、日本とフィリピンという二国間をまたいで経営する力はあると思っています。それでも、今より良い経営者になりたいと常に思っていますし、会社を持続的に成長させるにはどのようにしたらよいのかを日々模索しています。
一橋大学に入学してよかったと思うことはありますか
まず、大学に求めすぎないことが、僕は必要だと思っています。大学に何かを決めてもらう、やってもらうのではなくて、自分で決める自由が欲しい。僕はそう思っています。ですので、どこまで自由にさせてもらえるかという、大学の度量みたいなものが、僕にとっては重要でした。その点、一橋大学では、ベンチャーで働くことも、海外を旅することも、自由にできました。そのことは今でも感謝しています。
また、人の生き方について突き詰めて言えば、敷かれたレールを歩むか、自分でレールを敷く人生の2種類があると思います。一橋の学生は有力企業に就職できるので、敷かれたレールを歩んでも幸せでしょう。しかし、どちらかの道をとるのかは自動的に決まるのではなく、最終的には自ら選択しなければなりません。このとき、そのどちらも選択肢として選べるのが一橋の良さであり、度量だと思います。
最後に、特に僕が商学部の学生だったからでしょうが、経営者の視野を持てたことです。それは一橋商学部ならではの良さではないでしょうか。
最後に、読者の皆さんにメッセージを
我々の会社は「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」を目指して頑張っています。そのなかで、"日本人が世界で活躍する"とはどういうことなのか? と僕自身も常に問い続けています。皆さんもぜひ小さな枠組みではなく、世界的な視野を持って学んで欲しいし、将来を考えてほしいと思います。
若干宣伝になってしまいますが、レアジョブでは無料体験レッスン教材も用意していますし、初級者向けの入門教材も提供しています。ぜひ英語を身近に感じ、そして世界に目を向けるきっかけとして活用してください。
加藤 智久 (かとう ともひさ)
1980年 愛知県生まれ
2004年 一橋大学商学部卒業
2005年 外資系コンサルティング会社就職
2007年10月 株式会社レアジョブ設立 代表取締役社長就任