尾畑裕先生の最終講義が開催されました。

2022/02/15

最終講義をする尾畑先生

尾畑先生と閉会の挨拶をする挽先生

尾畑先生に花束を贈呈する山下先生

2月11日(金)13時30分より、「原価計算論教育・研究の課題と展望」と題して、尾畑裕先生の最終講義が開催されました。尾畑先生は長年にわたり一橋大学商学部で原価計算、管理会計の講義を担当され、本年の3月で定年退職を迎えられます。

西キャンパス本館21番教室にはコロナのため、入場者が数十人程度に制限されていましたが、一方、オンライン上にはゼミでお世話になった卒業生をはじめ全国各地より100名を超える参加者がありました。

開会の挨拶では、田中一弘研究科長から経歴のご紹介や尾畑先生との懐かしい思い出のお話があり、続いて尾畑ゼミ出身の高橋賢横浜国立大学教授からは、若き時代の尾畑先生の誠実なお人柄がうかがわれるエピソードが披露されました。

最終講義では、原価計算に関する教育や研究に関する専門的なお話がありました。一般に、商学部の学生にとって原価計算のイメージは、簿記や公認会計士等の資格試験の重要科目というものですが、教育に関しては資格試験を離れた原価計算のもっとも重要な部分である創造性をどう伝えるかについての尾畑先生の長年の考察や実践がテーマとされました。とくに原価計算では自分で計算し、確認する作業が必要ということで、尾畑先生が1990年代から進めて来られたリレーショナル・データベースやSQLを使った原価計算の演習やJavaによる原価計算システムの構築演習、原価計算のロジックそのものを記述する方法が紹介されました。研究に関しても、ドイツ原価理論、オブジェクト指向原価計算、「原価計算基準」に関する研究、IoT とコストマネジメント等々に関する尾畑先生の多彩な業績が紹介されるとともに、実務上の問題を科学的に解明するための方向性が示唆されました。

閉会の挨拶における挽文子先生の「時代がようやく尾畑先生に追いついてきた」という言葉には、会場やオンライン上の多くの聴衆も同感という思いを強くしたことと思います。

講義終了後もオンラインを介してゼミの卒業生をはじめとするオンライン参加者と対話の時間が設けられました。会場前面スクリーンには数多くの人々のお顔が次々と映し出され、尾畑先生を慕う方々と先生との懇親は長く続きました。

尾畑先生最終講義後の集合写真

最終講義ホームページ:http://kostentheorie.com/2022-02-11/