4年ぶり、対面開催の第26回KODAIRA祭!

2023/06/21

去る、6月10日(土)、11日(日)に、本学国立キャンパスで第26回KODAIRA祭が開催され、一橋を志望する受験生や地域の方を含む、多くの来場者で賑わいました。この学園祭は、もともとは本学小平キャンパス(現小平国際キャンパス)で開催されていた「小平祭」が始まりで、新入生とそれをサポートする2年生が企画・運営し、新入生同士、また上級生との絆を深める絶好の機会となっています。

KODAIRA祭は、ここ数年、新型コロナウイルス感染症の流行による、中止やオンライン、ハイブリッドでの開催など、制限が課せられながらも多くの方々の支えもあり、ここまで受け継がれてきました。そんな中、今年は「Renaissance」をテーマに掲げ、これまで以上に活気あふれるKODAIRA祭にしたいという思いで実行委員が一丸となり、大いに盛り上がった学園祭となりました。そして今回は、KODAIRA祭実行委員として参加した、商学部2年の上藤誠人さんに、実行委員の活動や本学の学園祭の特徴である「受験生応援企画」についての話を伺いました。



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受験生応援企画にて『黄本』配布ブース

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KODAIRA祭の実行委員になったきっかけは何ですか?

本当にささいなきっかけでした。入学時のクラスオリエンテーションで近くの席の人がKODAIRA祭の実行委員に申し込んだというので、自分もなんとなく申し込んでみようかなと思ったんです。今では自分の大学生活の中心になっていて、自分が属しているコミュニティの中で一番メインなものになっています。思い起こせば、あの瞬間に、自分の学生生活が始まったのかなと思います。

一般的な学園祭とは違うKODAIRA祭の魅力とは?

KODAIRA祭は2年生がサポートをしながら、新1年生が主体となって実施する学園祭です。目玉は何といっても「受験生応援企画」です。中でも受験生に配布する『黄本』は、一橋大学の受験についてあまり知られていない情報を詳細に掲載しています。この春に入学した新1年生が担当し、今年はおよそ200ページにも渡る原稿作りから、2,000部の印刷・製本、ホチキス留めまで、すべて手作りで準備しました。この企画を通して「やり遂げる」ことを身に付け、受験生を応援することで「人の力になる」といった、一橋の伝統である「面倒見の良さ」に繋がっているのかも知れません。

2年次も実行委員になったのは、1年次からともに頑張ってきた仲間とまた一緒に仕事をしたいと思ったということと、昨年は新一年生として楽しませてもらったので、今度は先輩として新入生を楽しませてあげたいと思ったからです。今回は広報パートを担当して、来場者パンフレットの制作や渉外なども担当しています。近隣の商店に挨拶に行くと、好意的に迎え入れてくださることから、26年続いたKODAIRA祭の歴史と地域との繋がりを感じました。

KODAIRA祭実行委員卒業後は?

今回でKODAIRA祭実行委員は卒業になります。これまで自分の大学生活のメインになっていたKODAIRA祭をやり切ったので、今後は興味のある長期インターンシップにチャレンジしようと考えています。以前、商学部の「経営戦略論」の授業で、商学部卒業生のゲスト講師による講義がありました。その中で、商学部で学んでいる「ビジネスの実務」を身に付けるには、「知識をインプットしてから実務としてアウトプットするだけではなく、アウトプットしなければならない状況下で必要なインプットを行うことで、より知識が身についていく」という話がありました。私も長期のインターンシップに参加し、ビジネスの環境に身を置くことで、生きた知識を自分のものにしていきたいと考えています。

後輩に向けたメッセージをお願いします!

一橋に入学して間もないこの新歓期に、KODAIRA祭実行委員として切磋琢磨しながら一緒にやってきた友だちというのは、きっと生涯の友人になると思います。在学中、そして卒業したあともこの絆を大切にしてもらえたら、2年生としてはうれしく思います。私自身も初日のオープニングの前に、1、2年生含めた総勢233人の仲間で円陣を組んだことは、この先もずっと忘れません。

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KODAIRA祭実行委員会企画「キャンパスツアー」

対面開催ならではの企画「キャンパスツアー」では、各回約20名の一般の方が参加しました。2年生の実行委員がサポートしながら、1年生がキャンパスのスポットを案内します。左から商学部2年の片渕弘大さん、経済学部1年の上島玲香さん、社会学部1年の伊藤陽紀さん。KODAIRA祭では学部の垣根を越えて、先輩、後輩が一緒に取り組むのも特徴です。


KODAIRA祭実行委員会主催「アカデミック企画」教員対談

本学の3名の教員による対談イベントが行われました。先生方の大学時代の楽しい話や大学生活でのアドバイスなどがあり、在学生、受験生にとって、得るところの多い企画となりました。

※当日のコメントをピックアップしてご紹介いたします。

ご登壇:本学学長・中野聡先生、商学部教授・安田行宏先生、同・円谷昭一先生

―大学生活をより充実させるために

中野先生:
どんな大学生活を送ればいいかは、人それぞれなのでこれがいいというモデルを押し付けることはできませんが、私たちの世代は、どちらかというとキャンパスの外にいることが多かったですし、如水会の先輩方の話など伺うと、体育会などで部活に打ち込まれたというのも無駄になっていないと思います。何かひとつのことではなくて、試行錯誤しながら、色々なことをするのが良いと思います。あとは、大学生活の4年間くらいでつくった友人というのは、損得なしに一生友だちになる人たちだと思いますので、人とのつながりを大切にして学生生活を送ってほしいと思います。

安田先生:
大学時代を将来のための準備期間にするのは、あまりにもったいないかなという気がします。結果的に準備期間になると思いますが、大学の4年間はさまざまなことができるので、それをできるだけ、どれだけ堪能するかです。「大学時代は大学時代のためにある」と考えて、貪欲に色んなことにチャレンジしてほしいと思います。そういった意味で好奇心というのが大切で、例えば、商学部にいるから商学部の授業は出るというに留まらず、直接は関係ないかもしれないけど社会学部の授業も出てみようとか、そういう遊び心というのはとても大事で、チャレンジすることに無駄なことはないと思います。「無駄だ」と言うのは罠であって、「無駄だ」と思われるところにこそ、何か新しい可能性があるのだという発想で、貪欲に取り組んでほしいです。
それから、中野学長からもお話がありましたが、友人を作ることも大事だと思っていて、現代は、友だちを作りやすくなっている一方で、付き合いたくない人とは付き合わなくていいような環境になっている気がします。ですが、少し自分とは合わないという関係の人でも、付かず離れずでよいので、友だちになっておくとよいと思います。不思議なもので、大学時代に自分とは合わなそうだなと思っていた人が、今では仕事ですごく助けてくれたりしています。それは何故かというと、自分と同じものを持っている人は、自分と同じことができるが、自分と違う人は、自分にないものを持っていて、自分ができないことができ、色々助けてくれるからです。

円谷先生:
失敗するということは、「何かをやっている」ということです。何かをやったから失敗する。そもそもやることすら躊躇することがありますよね。「やろうかな、やめようかな」というところで、「やらない」ということを選択していきます。「失敗を恐れずに」は、やった後のことなので、まずは「やる」という選択をするということが第一だと思います。今の皆さんの人生って、過去の小さな選択の累積が皆さんを形成していて、日々のちょっとした選択肢を膨大に積み重ねた結果が、今の皆さんだと思います。私も学生時代にやっておけば良かったということが沢山あります。その時は、人生を左右するほどの大きな選択肢のように感じたものですが、今にして思うと、大したことではなかったのにと思うことが沢山あります。もし迷ったら「やってみよう」という大学生になってほしいです。

如水会:本学の校友会組織

参加者からの質問

Q:起業を考えていますが、リスクも大きいのでアドバイスをください。

中野先生: Apple創業者のスティーブ・ジョブズやスティーブ・ウォズニアックも20代で起業しています。失敗したとしても、損をするのは投資家。恐れず起業してほしいですね。

安田先生: これからの一橋大学には、ここで起業して、いずれ日本を支える産業を作るリーダーを生み出すことが期待されていると思います。卒業生には経営者も多いので、ぜひアドバイスを求めてみてください。また、「倒産」にはネガティブなイメージがありますが、むしろ次のステージに向かうためのものと考え、チャレンジを諦めないでほしいですね。

Q:大物になる人物の特徴は?

円谷先生: 将来大物になる人は、自分の強み・弱みをよく判っている人で、自分を客観的に見て、弱みを改善し、強みを伸ばして成長につなげています。

Q:一橋大学の魅力とは?

中野先生: 学生同士や学生と教員の間の距離がとても近い「コミュニティ」が、一番の魅力です。教員は気さくに応えてくれますし、学部を越えたつながりもあり、「人との距離の近さ」が一橋大学の特徴です。