商学部3年 将棋部 柴山 賢太さん

将棋も勉強も、準備と集中力

2023/11/01

将棋に目覚めたのは幼少期

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私の将棋との出会いは、幼少期まで遡ります。幼いころのかすかな記憶を辿ると、保育園の先生から将棋のおもちゃをもらったことを懐かしく思い出します。子どもながら将棋の楽しさに「はまって」しまったようです。小学5年生までは家の近くの道場に通い、将棋のいろはを教えていただきました。その道場は、プロの棋士を輩出しているようなところでしたが、普段は子どもから大人まで、さまざまな人が将棋を楽しみに来ていました。当時、私はまだ小学生でしたが、アマチュア県大会レベルの将棋五段の大人に負けて、心底悔しがるような負けず嫌いな子どもでした。

永瀬九段の諦めない将棋を尊敬

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商学部公式Instagramより

中学、高校では残念ながら将棋部がなかったので、一度将棋からは離れてしまったのですが、一橋大学に入学し、何気無く入部した将棋部で、忘れかけていた将棋への熱い思いが溢れてきました。小学生からブランクがあったのですが、改めて将棋の楽しさ・面白さに魅了されています。将棋は、ひとたび対局が始まると誰にも干渉されず、戦法や時間の使い方などすべては自分自身の腕次第となるので、強いやりがいを感じられます。また、将棋には人それぞれの性格が反映される点も面白いところです。私が尊敬する棋士は永瀬拓矢九段なのですが、彼の将棋からはとても真摯な姿勢と、決して最後まで諦めない強い意志が伝わってきます。私自身は「攻め将棋」が好きです。中でも飛車を活用する「中飛車」という戦法を得意としています。飛車は、将棋の駒の中でも縦横に大胆に動かすことができる、戦略の柱になることが多い駒です。対戦相手も同じ戦法の場合は、例えるなら、盤上で殴り合いのような将棋になることもあり、これもまた将棋指しの醍醐味と言えます。

※ 飛車を横に振る「振り飛車戦法」の一つで、飛車を5筋に移して中央突破をねらう指し方

商学部の学びと将棋

私は、子どもの頃から数学が得意で通貨の動きにも興味があり、商学部で学びたいという希望がありました。商学部と言えば一橋大学がベストと思い、自然な流れで一橋を目指しました。現在は、小西大先生のゼミで、主に企業ガバナンスについて勉強しています。研究においては、最初に仮説を立てて、それを立証していくということなどを学んでいます。そのためには公開されている財務情報や株価動向などからさまざまなデータを集めることが必要で、下準備の作業が大切となってきます。商学部の学びと将棋の似ているところは、こうした事前準備や情報収集が大事だというところです。将棋の対局前の備えと通じるものがあり、日々の商学部の学びと将棋が相互にプラスになっていると思います。また、何よりも将棋で培った集中力は、学習にも大いに役に立っています。

主将は戦略家

一橋大学将棋部では、昨年末まで主将を務めていました。主将の役割には、大学本部との調整などのほかに、団体戦のメンバーや対戦の順番を決めるという重要なものがあります。強いメンバーから順番に出場させるという単純なものではなく、対戦相手を想定しながら、メンバー一人ひとりの得意な戦法を把握し、それを相手にどう当てていけば勝てるのか、という戦略立案の責任を負っています。実際の対局の前からすでに戦いは始まっているということです。

共通項は「将棋好き」

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部室にて

今年8月、一橋大学将棋部は、関東大学将棋連盟の最上位クラスとなるA級に昇格しました。秋の団体戦(11月5日)では強豪校との対戦となりますので、とても楽しみにしています。 将棋部の仲間は和気藹々としており、ただただ将棋好きの集まりです。部内に強制的なルールは特になく、それぞれのペースで参加していて、授業の空き時間にふらっと部室に顔を出しては将棋を指しています。しかし、大会となると強い団結力でまとまります。今年の9月に行われた東日本大会では、自分の不調もあり一橋大学チームとしては団体決勝に出られませんでした。ですが、個人戦で関東選抜チームのメンバーとして出場した私は、その最終戦で1週間前に団体で対戦し、負けた相手と再び対局することになりました。団体戦で負けたチームの思いを背負う気持ちで挑み、いつも以上に集中できてリベンジに成功しました。大学生活は残り1年半ですが、在学中は一橋の将棋部がさらに活躍できるように、サポートしていきたいと思っています。

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