2024/06/06
5月20日(月)、米国ミネソタ大学カールソン・スクール・オブ・マネジメント(CSOM)の学部生3、4年生を中心とする総勢30名の学生が本学国立キャンパスに来訪し、さまざまなプログラムを通じて交流しました。同大学は本学の国際交流協定締結校であり、中でもCSOMは商学部、経済学部と交流協定を結んでいます。同スクールは、国際教育プログラムとして、今後グローバルにビジネスを進める上で求められる異文化コミュニケーションを直接体験するための海外訪問を行っており、本学には昨年に続く訪問となります。
(当日プログラムの全体は、本学国際教育交流センターのサイトをご参照ください。)
この日のプログラムの一環として、山下裕子教授(商学部)による「Japanese Green Tea Workshop; How can we turn knowledge about traditional cultural products into cross-cultural value?」と題するワークショップが行われました。ワークショップでは、日本茶を例に、伝統的・文化的背景を持つ商品の異文化マーケットにおける適応についてのフォーカス・グループ・インタビューを行いました。最初に、山下先生より日本茶のルーツや製法、淹れ方などについて説明があり、実際に抹茶や煎茶を淹れるデモンストレーションが披露されました。
その後はグループに分かれ、山下先生のもとでマーケティングを研究している商学部および経営分析プログラム(経営学修士)の学生たちが、各グループでのディスカッションに加わりました。当日のワークショップに先立ち、山下ゼミでは、マーケティング領域で注目されている正当性(authenticity)に関する論文レビューに基づき、セントラルクエッションと補足の質問を事前に準備しディスカッションに臨みました。実際に煎茶や抹茶を試飲した上で、日本茶が持つ文化的な背景や健康面での効果、お茶を淹れる作法などがどのような価値を持つのか、といった議論を行いました。CSOMの学生は始めは日本茶のおもてなしを楽しんでいましたが、次第にマーケティング議論に引き込まれ、各グループともマネジメントを学ぶ学生同士の真剣なディスカッションで大いに盛り上がりました。今後、商学部の学生は、この日の議論を質的テキスト分析の手法を用いて分析していきます。
一橋大学は、世界160以上の大学と国際交流協定を結んでおり、今後もこうしたグローバルな交流が広がることが期待されます。
CSOM学生からのコメント(①ワークショップについて、②1日を通して)
Tsundrul Palmo:
①「私たちアメリカ人と日本人では、お茶に対する見方に大きな違いがあることを学びました。日本のお茶はすべて大変質が高いですね」
②「長期の派遣留学で一橋大学に来れば良かったと、ちょっと後悔しています。半日でしたがとても充実したひとときでした。」
Roscoe Torbenson:
①「ものの価値を決める要素はさまざまあり、そのうちの一つが失われれば、その本当の価値は崩壊してしまうと思います。このワークショップでは、日本茶の価値についてコーヒーなど異なる商品を例に考えることで、より理解しやすくなりました」
②「一橋大学とミネソタ大学がこれほど深い繋がりを持っていたとは知りませんでした。一橋の学生たちは、一般のアメリカ人よりもミネソタについてよく知っていて、感心しました」