2025/07/28
バーツラフ・シュミル著;柴田裕之訳(2024.9)
『世界の本当の仕組み(How the world really works)』
今年は、夏が6月から本格化しました。近年、気候変動のニュースは毎日話題になります。異常気象のニュースを大きな違和感なく接しています。一方で、気候変動という社会課題に対する我々の対応を聞かれると、できる話はあまりありません。太陽光だの、サステナビリティだの、グリーンテックだの、我々は持続可能な未来の実現に向けて積極的に取り組みをしていますが、本当の効果はどうなのでしょうか。それくらいで対応できないということをよく聞きますが、実際はどうなのでしょうか。
そこで、このコラムで私がお勧めする本は『世界の本当の仕組み(How the world really works)』です。今現在私が読んでいる本で、なかなか興味深いです。我々が直面している脅威はどんなものなのかを肌感覚で分かります。
この本の著者はバーツラフ・シュミル先生。カナダのマニトバ大学で長年エネルギー、環境変化、人口変動、食糧生産などの分野で学際的研究に従事した方です。この本は、『ファクトフルネス(ハンス・ロスリングら著)』の様に、統計情報を通じて「本物の世界」を知らせる研究結果です。この本を通じ、化石燃料、食料、材料を含む環境問題を網羅する人類共通の問題を、客観的な数字を通して科学的に眺めることができます。この本は、悲観論や楽観論を述べていません。これまで著者は多くの本を執筆しています。しかし、この本は一般人を対象としており、専門用語を最小限に、比較的簡単に書かれています。これからの社会の構成員となるみなさんに、ぜひ読んでいただきたいと思います。
【Information】一橋大学附属図書館
バーツラフ・シュミル著;柴田裕之訳(2024.9)
『世界の本当の仕組み(How the world really works)』