動いた先に、出会いと学びがある
2025/08/28
キングズ カレッジ ロンドン(英国)留学 2024年9月〜2025年6月
渋沢スカラープログラム10期生
私が留学を志したのは、幼い頃から抱いていた海外への漠然とした憧れと、「もっと広い世界を見てみたい」「自分の可能性を試してみたい」という強い思いからでした。日本という慣れ親しんだ環境を飛び出し、異なる文化や価値観に触れることで、自分自身をより深く知り、新たな一面を発見できるのではないかと考えたのです。
そんな私にとって、一橋大学の留学プログラムはまさに理想的なものでした。世界中の都市から渡航先を選ぶことができ、現地の物価に合わせた奨学金(月10万円程度)が如水会から支給されるなど、学生の挑戦を強力に後押ししてくれます。学費は一橋に納める授業料のみとなるため、経済的な負担を抑えつつ、質の高い海外経験ができる点も大きな魅力でした。
さらに私の背中を押してくれたのが、「渋沢スカラープログラム(SSP)」の存在です。グローバルリーダー育成を目的とするこのプログラムでは、国際的な舞台で活躍したいという高い志を持つ学生が集い、互いに刺激し合いながら学べる環境があります。SSPに参加することで、留学を一過性の経験ではなく、学問的にも人間的にも深く意味のあるものにしたいと考えました。
SSPでは、留学生とSSP生のみを対象とした少人数制の専門科目を履修でき、ディスカッションやグループワークが中心の授業を通じて、思考力と表現力が鍛えられました。それらは留学準備にとどまらず、自分の価値観や思考の軸を育む貴重な機会となりました。そして何より、真剣な議論から冗談まで、あらゆる話を分かち合える仲間と出会えたことが、私にとって何にも代え難い財産です。
数ある留学先候補の中でロンドンを選んだのは、世界中から多様な人々が集うこの都市で、異なる価値観に触れ、刺激的な出会いを重ねたいと考えたからです。また、ヨーロッパ各地を自分の足で巡り、多様な文化を肌で感じられる点にも強く惹かれました。
ロンドンでの学生生活は、すべてが刺激に満ちていました。King's College London(KCL)では、グループワーク中心の人的資本関連科目を積極的に履修し、世界各国から集まった学生たちと意見を交わしながら学びを深め、知識だけでなく異なる視点の大切さを学びました。
また、授業外では大学の水球部に所属し、言葉や文化の壁を超えてチームの一員として戦うことで、深い信頼関係を築くことができました。さらに、現地の飲食店でのアルバイトにも挑戦し、異文化の中で働く難しさや楽しさを実感しました。
このように、授業、部活、アルバイトとさまざまなコミュニティに飛び込むことで、幅広いバックグラウンドを持つ人々と関わることで、自分の視野が大きく広がりました。 ロンドンは6つの国際空港を有し、第三国への渡航が2000円から可能という圧倒的な交通の利便性も、留学生活をより豊かなものにしてくれました。同じ時期に留学していた一橋の友人と、特定の都市で落ち合って一緒に旅行することもあり、貴重な息抜きとリフレッシュの機会となりました。
ロンドンでの日々は、自分の「当たり前」が通用しない環境で、「あなたはどう思うのか」「なぜそう考えるのか」と問われ続ける日々でもありました。自分の意見を他人任せにせず、自分の言葉で語る。その積み重ねが、主体的に物事を考える力を育ててくれました。
行動力も格段に増し、留学中には一人でヨーロッパ各地を旅するなど、かつての自分なら想像もしなかった挑戦にも臆せず飛び込めるようになりました。この経験を通じて実感したのは、自分の殻を破るような出会いは、常に"自ら動いた先"にあるということです。
これからも、私を送り出してくれた家族や友人、温かく迎え入れてくれた現地の方々への感謝を忘れず、どんな環境でも自分らしく挑戦を続けていきたいと考えています。
留学は、単なる語学や学問の習得にとどまらず、自分の価値観や生き方そのものを見つめ直す特別な機会です。少しでも興味を持っているなら、迷わず一歩を踏み出してほしいと思います。その先には、想像を超える出会いと学びが、きっと待っています。