2025/08/28
トピックス(商学部)
商学部では、2025年度秋学期に「学際消費文化論」(月曜・木曜2限、担当教員・横江良祐商学部准教授)を新たに開講します。本講義は、商業、産業、消費文化を歴史学、社会学、文化研究などの学際的視点から考察するものです。
受講者は、専門外の学術文献に取り組み、それをビジネスや経営の主要な課題と結びつけて理解する力を養います。経済的な合理性だけでは捉えきれない消費行動や市場の構造を、社会的・文化的・政治的な要因から捉えることによって、実際の企業の意思決定や市場の動態に対する理解を深めていきます。こうした学際的な探究を通じて、柔軟な思考力と広い視野を育むことを目指します。
題材としてアルコール消費を取り上げ、ある時代や地域では賞賛され、日常的に楽しまれてきた一方で、別の文脈では非難や規制、さらには禁止の対象とされてきたアルコールをグローバル・ヒストリーの視点から探究します。その上で、飲酒をめぐる政策的・社会的な議論が、道徳、統治、公衆衛生、社会秩序といった広範なテーマとどのように関わってきたのかを明らかにします。また、企業や業界が消費をめぐる価値観や規制の変化にいかに対応し、変動する文化的・政策的環境に適応してきたかにも焦点を当てます。
消費行動を単なる合理的・経済的な意思決定としてではなく、道徳観や社会規範、イデオロギーによって形づくられる文化的営みとして捉える視点を養うことで、現代におけるマーケティング、ブランディング、広報、ビジネス倫理といった課題を、相対的かつ批判的に問い直していきます。