寄附講義「観光経営論」【学生座談会/温泉留学 はじめまして、第二のふるさと】②

2024/03/11

――初対面同士のチームビルディングについて教えてください

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後藤さん:
チームのまとまりに関して一番大きかったのが、講義初期の段階にチーム全員で行った現地調査です。松之山温泉への移動時間がとても長かったので、全員と仲良く話して、打ち解けられました。グループワークを始めていく段階で、このような機会があったというのはとても良かったと思います。

谷澤さん:
他のチームでは予定が合わず、複数のグループに分かれて行ったそうです。私たちのチームでは、全員で現地調査へ行けたので、その点は良かったのかと思います。

北村さん:
毎週開催していたミーティングにも、ほぼ全員が参加していたので、皆の意見を企画に反映することができたのかなと思います。

――講義での学びやエピソードなどありますか?

谷澤さん:
授業は受動的なもののほうが多いと思いますが、この講義は自分たちのグループとして考えて企画を提案してみようというもので、授業形式自体も新鮮でしたね。大変ではあったのですが、よい経験になったと思います。

北村さん:
講義には、地方創生プランを地域に提案されている専門家の講師もいらしたので、実際のプロジェクトの進め方についても教えていただき、グループワークではそれをそのまま実践に移すことができました。プロフェッショナルな方からノウハウを学べたのはとてもラッキーでした。

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後藤さん:
専門家の講師の方が、「観光業の場合は、観光客、地域の方、それを取り巻くさまざまなステークホルダーの全員が満足できるようなビジネスモデルを理念としている」と話されていて、この「温泉留学」の企画でもそういうことを意識しました。このように座学で学んで、実際にそれを生かし、プレゼンまで作る、ということを体験しました。つまりは大学で学んだことを将来どのように生かせるのか、具体的なイメージを与えてくれた講義でした。いま就活をしているのですが、就職してそこで仕事をする際に、大学でちゃんと学んでよかったと感じられると思います。

吉野さん:
私のほうからは、皆さんとは違う視点でお話しします。この講義は一つの定まった目標を「グループワーク」で達成するというのが特徴で、そのグループワークの難しさを学びました。今までの授業では一人でレポートを書いて完結していましたが、グループワークでは一人で全てをこなせば良いわけではなく、とはいえ全員均等に担当を分けても、それぞれ授業に対するコミットメントも違います。その中でどのように役割分担をしたら良いかということや、皆の意見をまとめる術というものを学べました。

――進路、将来について

吉野さん:
私は一橋ビジネススクールのMBAを志望しています。将来的には家業を継ぐということをゴールとして、その前に一橋でMBAを取得する、そのためにまずは一橋大学に入るというように逆算して現時点があります。MBA修了後は、すぐに家業を継ぐのではなく、コンサルタントなど中小企業の経営をより良くするための仕事で、MBAで学んだことを生かして、能力を高めていければいいなと思っています。

谷澤さん:
日本だけではなく、世界のさまざまな地域に貢献できるような仕事をしたいと考えていて、総合商社や物流系なども検討しています。この講義で地域の良さを見つけることに楽しさを感じたので、方向が定まってきたかなと思います。

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後藤さん:
私はマーケティングや経営企画が好きで、ビジネスモデルを作るといったことに興味があり、この講義を受講しました。今回のグループワークを経て、旅行業界だけではなく、街づくりにも関心が広がっていきました。

北村さん:
いろいろ考えていますが、一つは総合ディベロッパーという職種で、地域と密着して街づくりをするというのもいいなと思います。

――後輩のみなさんへメッセージをお願いします

吉野さん:
この講義は単位に換算すると2単位で、グループワークの成果はそこまで関係してこないんですね。ですが、グループワークで協力して何かをやるというのは、すごく大切な経験になると思います。

谷澤さん:
まずはやってみることが大事で、その中で自分のやりたいことが明確になってくると思います。座学はインプットだけですが、これはアウトプットのある授業です。私は現地調査を経験したことで、今後は海外を含めていろいろなところへ行って、もっと現地に密着した取組みをしてみたいなという思いが出てきました。

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北村さん:
この講義はグループワークがメインになるので、最後までやり切るぞ、という人が履修するべきなのだろうなと思うのですが、私の場合、最初は自分たちで良いビジネスモデルを作るという自信はなかったんですね。ですが、自分一人ではなくて、グループの仲間とやったからこそできました。

後藤さん:
私たちはプレゼンで優勝しましたが、その際に大事だったのが、"独自性"を生み出すということでした。今回、この「温泉留学」は、ありそうでなかったコンセプトで、独自のアイデアとなりました。また、「取り巻くすべての方にとって良いものにしていく」ということを考える体験もすごく大事で、地域の協定を上手く生かしたプログラムにつながりました。単にビジネスをするというだけではなく、"アイデアで社会を良くしていく"といった考えは、ほとんどすべての職業に共通してあると思います。そういう意味では、実学を大事にしている一橋大学ですので、ビジネスを志す全ての学生の皆さんにチャレンジしてもらいたいと思います。

学生の皆さんへ 観光経営論の担当者から一言

日本観光振興協会の寄附講義「観光経営論」では商学部で学ぶ経営戦略論やマーケティングなどの理論を実社会に応用する「力」を鍛えます。グループワークで調査対象地域のメンターとやり取りをしたり、現地へ調査に行くことなどを通して「プロジェクト」として学習を進め、最終的には、実務に携わる非常勤講師、ゲスト講師、メンターの前で「観光による地域活性化」に関する施策をプレゼンしてもらいます。そのようなゴールを受講者はチームで目指していくので、旅行業、鉄道業、宿泊業などに携わるゲスト講師の講義も「血肉となる知識」(自分たちの提言施策に活かせる知識)として聞くことができます。正直にいって、かなり大変な講義だと思います。しかしながら、現地調査から教室では得られない気づきを得たり、実務者のフィードバックから多くを学べます。教員チームもしっかりと手厚くサポートしますので、大学での学びをビジネスの現場へ落とし込む実力を身に付けたいと思う方は、ぜひ受講を検討してください。

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