2026/07/09
小学生の頃に読んだ杉原千畝の伝記をきっかけに抱いた外交官への憧れ、そして中学生の頃に始めた英語学習を通じて芽生えた海外への興味は、高校時代に商学部を目指すようになってからも、大学生になってからも途絶えることはありませんでした。その延長線上で、私は自然な流れで交換留学プログラムへの参加を決意しました。私にとって、家族と離れて暮らすことも、海外で生活することも、このカナダ留学が初めてでした。しかし、持ち前のなるようになるという前向きな性格もあり、渡航前は大きな不安を感じることなく、留学先へ向かうことができました。
一方で、バンクーバーでの生活が始まってからは、想像以上に環境の変化が身体に表れました。それまでほとんど体調を崩すことのなかった私が、月に一度は熱で寝込むようになり、慣れない環境で生活すること、そしてそこに適応していくことが、自分でも気づかないうちに大きな負担になっていたのだと実感しました。体調を崩して一人で部屋の天井を眺めていると、日本にいれば家族がそばで看病してくれたのに、と寂しさを感じることもありました。同時に、常に近くで見守ってくれていた家族の存在の大きさや優しさのありがたみを、これまで以上に強く感じました。
さまざまな思い出が詰まった留学生活の中でも、特に印象に残っているのは、友人と二人で企画したおにぎり販売イベントです。きっかけは、ルームメイトに手作りのおにぎりを振る舞ったところ、とても喜んでもらえたことでした。留学先では、日本で食べられるようなおにぎりを見かける機会が少なかったため、日本らしいおにぎりをもっと現地の学生にも知ってもらいたいと思い、販売イベントを企画しました。異国の地で食品を販売することは、想像以上に大変でした。手続きや申請が多く必要だっただけでなく、文化の違いによるコミュニケーションの難しさも実感しました。それでも、一から企画を形にしていく過程はとても楽しく、実際におにぎりを買ってくれた人が「おいしかった」と言ってもう一度戻ってきてくれた時の喜びは、今でも忘れられません。自分たちが届けたものによって、目の前の人が喜んでくれる姿を直接見ることができたことは、留学生活の中でも特別な経験となりました。
また、留学を通じて、日本の食文化やアニメ文化が海外で広く親しまれていることも強く実感しました。食べ物の話になると日本食を挙げる友人は多く、アニメについても、日本人である私より詳しい友人がたくさんいました。日本の文化が国境を越えて多くの人に愛されていることを知り、日本人としてとても嬉しく、誇らしい気持ちになりました。
振り返ると、留学生活は本当にあっという間でした。「もっとあれをやってみたかった」「もっと友人と時間を過ごしたかった」「あの時こうしておけばよかった」と思うこともあります。しかし、そのような後悔も含めて、留学中に挑戦したことや経験したことのすべてが自分の糧となっています。留学を通じて私が学んだのは、結果よりもまず挑戦することの大切さです。そんな時に思い出すのが、現地でできた友人からもらった手紙に書かれていた言葉です。
"Everything is a win when the goal is to experience. It's never a failure; you only learn and gain experience."
この言葉の通り、経験すること自体に価値があり、たとえ思い通りの結果にならなくても、そこには必ず学びがあります。この考え方は、これから新しい環境に飛び込む時にも大切にしていきたいと思っています。
過去の「SSP学生の声」は こちら からご覧いただけます。