卒業後の進路

一橋大学商学部を卒業した後の主な進路としては、①民間企業等への就職、②公認会計士をはじめとする高度な専門職、③大学院経営学修士(MBA)コースへの進学、④大学院研究者養成コースへの進学、の4つが挙げられます。

民間企業等への就職

卒業生の8割以上は4年間の学士課程を修了すると、民間企業や政府系機関などに就職します。後ほど具体的なデータで見ていくように、一橋大学商学部卒業生の就職先の特色の一つは、金融機関や総合商社が歴史的に多くの割合を占めきた点です。また、自動車・電機・化学といった製造業や、情報・通信をはじめとするサービス業などにも、幅広く就職しています。

近年の就職活動をめぐる環境は厳しさを増しています。しかしながら、一橋大学商学部の卒業生は、将来の経営層を担う人材として、今なお多くの企業から求められています。特に、留学生を含めた1学年の学生数が商学部単独で300人程度、大学全体(4学部)でも1000人程度と比較的少ないにもかかわらず、多くの企業からの求人があること、かつ様々な業界・業種で多くの先輩方が活躍していることが、就職活動を進める上での利点となっています。

ただし、一橋大学商学部に入学することによって、就職したいと思う企業に自動的に就職できるわけでは決してありません。とりわけ最近は、就職時点で企業側が求める人材像が高度化しています。商学部での4年間に研鑽を積み、知力・能力を本質的に高めていくことが、表面的な就職活動に翻弄されることなく、自らが望む形で就職することにつながるといえるでしょう。

高度な専門職への展開

一般企業への就職がいわゆるジェネラリストとしてのキャリアを志向する傾向にあるのに対して、高度なスペシャリストとしてのキャリアを志向する人も少なくありません。特に一橋大学商学部は、会計分野での専門職の最高峰である公認会計士を数多く送り出してきました。公認会計士は、会計監査を中心とする業務を通じて健全な企業社会の発展を支える社会的インフラとして、重要な役割を果たしています。

ただし、一橋大学商学部では、公認会計士試験に向けた特別な講義は提供されていません。そのために、受験を希望する学生は公認会計士試験に向けた学習を、一般の講義と並行して、自ら行う必要があります。単に合格することを最終目的として短期的な視点から試験に対応するのではなく、幅広く深い知性と教養を修得することこそが、合格後のキャリアにおいて、より重要な意味を持つと考えるからです。

経営学修士コースへの進学

高度な専門知識と分析能力を備え、企業社会で将来指導的役割を
果たすことのできる高度専門職業人を育成するプログラム

職業人としてより高度な能力を獲得する道筋は、一橋大学の中にもあります。本学は高度職業人の育成を目的として、1996年に「修士専修コース」を大学院修士課程に開設し、それを発展させて2000年に「経営学修士(MBA)コース」を設置しました。さらに2018年度には、商学研究科と国際企業戦略研究科が統合されて経営管理研究科が発足したことに伴い、一橋ビジネススクールとして、各種の大学院レベルの教育プログラムが再編されることになりました。様々な進路が用意されているなか、学部生の皆さんが卒業後に直接進学できるのは、「経営学修士(MBA)コース 経営分析プログラム」です。

これは、国立キャンパスで昼間に行われるフルタイムMBAプログラムです。一般にMBA課程には、大学卒業後に企業などで一定期間勤務した後に入学することが主な経路として想定されていますが、「経営分析プログラム」は、大学卒業後に直接入学を希望する人にも積極的に門戸を開いています。このプログラムでは、経営や財務をはじめとする企業経営に関する高度な専門知識と分析能力を養成することが目的とされており、修了後には「経営学修士」(MBA: Master of Business Administration)が授与されます。

また「経営分析プログラム」では、商学部4年次に在籍しているうちから「学部・修士5年一貫教育プログラム」(5年一貫プログラム)によって、MBA課程の授業も履修することができます。そのため学部入学後からわずか5年で学士号と修士号(経営学修士)の両方を取得する優秀な学生も毎年10名程度います。詳しくは、「大学院への進学と『学部・修士5年一貫教育プログラム』」をご覧ください。

5年一貫プログラムの学生は、もともと成績上位層である上に、学部レベルとは質的に異なる高い水準の知識と思考力を身につけていることから、企業側から非常に高い評価を得て、日本の大手企業や外資系企業、コンサルティング会社などに就職しています。また、5年一貫プログラムには、将来家業を継承することを前提として、早期に経営にかかわる高度な知識を修得するために進学する人もいます。

研究者養成コースへの進学

次世代の研究者・大学教員を養成するプログラム

これは、大学教員や研究者を目指すための学術的な研究を中心とする大学院(修士課程・2年制、博士後期課程・3年制)です。

一橋大学商学部・大学院経営管理研究科における教育の柱の一つが実業界への優秀な人材の提供であるとすると、もう一つの重要な柱は次世代の研究者の育成です。大学院経営管理研究科では、研究者養成コース(修士課程・博士後期課程)において、商学・経営学・会計学の研究者を精力的に育成しています。この研究者養成コースへの進学は、学部を卒業した後に進む、もう一つの高度専門職の経路となります。

前身である高等商業学校から東京商科大学を経て現在に到るまで、一橋大学商学部・大学院経営管理研究科は、商学・経営学・会計学の領域で、わが国の中心的な研究機関としての役割を果たしてきました。

このような研究拠点としての実績と、学界をリードする研究者・指導者としての教員の資質を背景として、一橋大学商学部・大学院経営管理研究科は、商学・経営学・会計学の優れた研究者を長年にわたり送り出してきました。現在でも、本学はもとより、全国の国公私立大学や海外の大学において、商学研究科出身者が研究者として活躍しています。

研究者養成コースは原則として2年間の修士課程と3年間の博士後期課程から構成されています。したがって、研究者としての教育課程を修了するためには、学部卒業後、少なくとも5年の期間が必要とされます。この期間を終えると、大学で専任講師や助教、場合によっては准教授といった立場で、自立した研究者としての道を本格的に歩み始めることになります。

なお、商学研究科博士後期課程で教育を受けた人の大多数は、その研究能力が高く評価され、修了から短期間のうちに、各地の大学で研究・教育職に就いています。

就職・進学先やその人数内訳などの具体的なデータは〈2017度卒業生の進路〉と〈2017度卒業生の業種別就職先一覧〉を参照してください。