商学部の魅力――安田行宏教授に聞く③

2022/11/14

人生の素養を磨く、多彩な「学びの場」を提供

一橋大学商学部は、1875年設立の商法講習所以来の歴史を誇る、日本を代表するビジネス教育の殿堂であり、近年ではグローバルな評価もますます高まっています。商学部の魅力について、企業金融論が専門で「ビジネス・エコノミクス」の講義などを担当する安田行宏教授に聞きました。

大学生活を満喫することこそが、将来の素養になる

――ゼミや講義内容を超えて、現役学生や一橋志望の高校生に伝えたいことはありますか。

安田行宏教授

たとえば金融に興味があるから金融のゼミで、というより、逆説的だけれど、むしろ他の分野を学生時代には学んでおこう、視野を広く持とうという発想も、もっとあっていいのではないでしょうか。

「就職に役立ちそうだから」などと狭くとらえずに、面白いと思ったものには何にでも飛びついてほしい。大学時代は何かの準備期間ではなく、「大学時代そのもののためにある」のだと私は考えます。勉強中心ではあるにせよ、サークル活動や学外の活動なども含めて、どれだけ大学生活を満喫できるか。「お腹いっぱい」とは言わないまでも、「まあ、充実していたな」と思えるかどうかが、実は将来に対する一番の素養になるはずです。

商学部ではさまざまなプログラムを用意していますが、それらをとことん利用するのも一つですし、自分の思い描く、あるべき大学4年間の像に合わせて、どう取捨選択してうまく取り入れるか、という発想も問われているのだと思います。 つまるところ、大学の4年間で自分の個性をどう磨き、高めていくか。個性とはオンリーワンという意味でなくて、「人と共有できる部分をどれだけ増やせるか」ということでもあります。そのためには、好奇心の赴くままに、「今のために楽しむ」と思って活動することが大事ではないでしょうか。

――ゼミの卒業生は、どのような活躍をされていますか。

私のゼミの卒業生には、就職が決まったのに、そこに行かずに医学部を受け直して、医師への道を歩んだ学生がいます。また、大企業ではなくITベンチャーに入り、入社してすぐに取締役になった型破りな学生もいます。

私のゼミに、そうした学生がたまたま集まっていたのかもしれませんが、商学部全体としても、かつてのような、皆が大企業に就職する"就職貴族"といったイメージだけで語れなくなってきています。いずれ、学生時代に起業する人ももっと出てくるでしょう。学生時代も卒業後も、ぜひ好奇心を大事にして、何にでも貪欲に取り組んでいってほしいと思います。

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